私の婚活体験記 7 スパイスと仕事と自分を愛しすぎた男

ライダーさんとのデートの後はお互い仕事のやり取りみたいに、

「ありがとうございました」
「楽しかったです」
「またどこか生きましょう」

というお決まりのメッセージをしてから、また婚活サイトでのやり取りを交わしていました。
LINEIDは聞いていたものの、その後やり取りは変わらず婚活サイトでした。

恋愛は勿論婚活初心者であった私にとっては、この前にも後ろにも進まない状況にただただやきもきするだけ。

「恋愛って、婚活ってこういうものなの…?」
「そういや次の約束とかなかったな」
「ライダーさんにとって私は『ナシ』だったのだろうか」

モニターを眺めるだけの日々


こういうモヤモヤを直接ぶつけてもいいものなのだろうか、と思いながらも誰もアドバイスをしてくれる人もいないので、ただただまた変わらない日々が過ぎていくだけ。
正直自分にとってはライダーさんは「あり」でも「なし」でもなく、ただ自分が好みな感じの人。
なら向こうがどう思っているかが、当時の私は早く知りたかったのです。そう、

アラフォーは待っている時間が惜しいのです。

そんな中サイトで出会った次の人は自分と職場が近く、薬剤系の研究職、年は1つ上。
体つきはひょろっとしていて顔はイケメン寄りなのだろうけど、自分の好みからはちょっと離れているぐらい。

あこや

私は着やせするゴリマッチョが好きなんです…室伏さんとか超好み。

みーこ

私は逆にジャニーズは韓流スターのような正統派イケメンが好き!!


プロフィールは細かくしっかり書かれていて、休日の過ごし方は家でのんびりかショッピングという女子力高めだけれどインドア派の自分には合いそうな感じだった。
顔立ちは俳優の賀来賢人さんに似ていたのでカクさんとここでは呼ばせて頂きます。
水戸黄門で印籠を出す方。←わかりにくいわ!

印籠をだす方って格さんの方って知ってました!?

やり取りはライダーさんよりフランクな感じで、またそれも新鮮で楽しかった。
あと、私は自分のジャンルとは違う人との会話が楽しめるんだって新たに気付けました。
自分が強いゲームやアニメや旅行とは違い、カクさんはビジネスや自分が勤めている病院や理系の話、そして趣味のひとつである料理の話。家にスパイスが沢山有るらしく、私がそれほど料理が得意では無いと自白しても、「俺も上手いわけじゃない、ただ色々な料理にチャレンジするのが好きなだけ!」とフォローしてくれたのが何気に好印象だった。

2週間ほどネット上でやり取りをし、仕事帰りに食事へ行きませんかと誘われてご飯へ。
勿論母には友人とご飯に行くと話をしつけていました。
食事場所も好みを聞いて決めてくれて、時間や場所の指定などスムーズに案内してくれた。
こういうのに慣れている人なんだな、と思って好印象だったんです。

ここまではよかった。

久しぶりに履くヒールでこけないように注意しながら歩いた先に立っていたカクさんは、
写真より少し老けて見えたて癖強めな髪だったけれど、想定の範囲内。
スマートに誘われて席につき、あらかじめ決めていたオーダーの後、突如始まったのは、

終わりを知らない俺様自慢。

今日も残業させられかけたけどなんとか回避した、部下の尻ぬぐいが大変、周りの奴が仕事ができない。
俺は上司にも意見を言っちゃうタイプなので出世はあまり望めないかも、だけど正しいと思ったら俺は言う。

俺こそが正義、
俺こそが世界の中心、
愚民どもよ、いますぐ跪け!

バルス!!!!!!!!!!!!!

までは言っていないけど、ずっとそんな調子でただただ時間だけがすぎていく。

本人的にはノリはこんな感じだったと思う。

そんな彼に私は

へーそうなんや、
大変やねえ、
すごいね、

のローテの返答で応じ、

そして目の前に並び始めたご飯に手を伸ばし始める。
もう承諾なんていいよね、彼が気持ちよく話しているのを聞いてやっているのだからと思う事にする。
なかなか食事に手を出さないので冷めますよ、と一言だけ伝えるが届いているのかも定かでは無い感じ。
出されたご飯に罪は無いので美味しい間に頂いておかないと。時間が過ぎるほどご飯を食べに来たという目的の比重が高くなり、カクさんが口角泡を飛ばす勢いの演説が一段落する頃にはメインのパスタを食べ終えていたのです。

食べ終わる頃には多分私はこんな顔をしていた思う。

デザートを手に付けようとした時私は重要なことに気付いたのです。

あ、私自分の事最初に挨拶した以降何もしてないな、と。そして私の事はさして興味が無いんだな、とも。

でもそんな事より重要だったのは目の前のデザートのバニラアイスを溶ける前に食べて、同時に曖昧な返答を切らさずにという事でした。(曖昧な返答だと面倒事になりそうだったから)

私がデザートを食べ終わる頃やっと現実に?に帰ってきたのか、慌てたようにメインの伸びきったパスタにとりかかり、次に始まったのは好きなスパイスのご高説。
ペッパーは何種類持っているとかタイムがどうとかパセリの役割とか話されましたが。
既に右耳から左耳にかけての貫通トンネルが建設されていたので内容は全く覚えていません。

その後のお茶も誘われましたが、明日出張があると適当な言い訳を作ってヒール音を響かせながら退散。
しがない事務OLが出張とか年に数回レベルですが、私の事より自分の事に興味があるであろうカクさんは気付くことも無く、去り際に次ぎは俺の自慢のスパイスを見においで、と言われた気がしますが私の背中には些細な物音も遮断するぬりかべがあったとかなかったとか。

帰宅してからずっと虚無の表情していたと思う。

帰宅後襲ってきた疲れを堪えながらなんとかお礼のメール…ってなんでお礼しなきゃいけないんだっけ?と思い立つと余計に疲れてしまいました。でもご馳走になったのだからと考え、その時ふとライダーさんを思い出し、

ああ、ライダーさんはマシだったな、

と、思ったのです。
そしてそんな自分にぞっとしました。「マシ」と思う自分に怖くなりました。

異性を比較して、そういう目で見たことが無い。
でも、そうやって人を判断するのが婚活。

少し急ぎ足でライダーさんとの次のデートの話は進めつつ、カクさんのやり取りを如何にして終わらすかを悩みながら終わりの見えない私の婚活は進んでいくのでした。

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